「柏木、入って」


いるわけがー…


ガラッと勢いよく開く扉。

…から、出てきたのは。


まぎれもなく“あの人”だった。


「ども。柏木蘭です」


男の子はペコリとお辞儀をして顔を上げた。


一方私はガバッと机に顔を伏せる。


what!?


なぜっ!?なんで奴がここに!?


女の子たちはかっこいい転校生の登場に、キャーキャー盛り上がっている。


後ろからは凪君と俊君の「ひゅー。かっこいい」なんて言葉が聞こえてきた。


ていうか今の“ひゅー”口笛のつもり?全然できてないし。


ってツッコんでる場合じゃなぁぁぁぁぁい!!!


私の額からはだらだらと止まることなく流れでてくる汗。