夏休み直前のこんな時期に転校生なんて急すぎるにもほどがある。


「あ、海斗!どしたのそれ」


私の視界にちらりとうつりこんできたのは、さらりと揺れる綺麗な髪から透明に光る雫をポタポタと垂らしている海斗だった。


そして回りを見渡してみると、生徒の大半の人の髪から雫が垂れていた。


着ているものまでびしょびしょの人もいる。


海斗はめんどくさそうにタオルで軽く髪の雫を拭き取ると、そのままどかっとイスに座った。


「雨だよ、宮崎さん」


「陸君っ!?!?」