「なっ…なななななっ!?」
新しく“付き人”になった彼女は、梨香が教室から出ていくのを見送ってから、顔を真っ赤にして目を見開いている。

「あっ…あぁ~ふっ服をきてくださいぃぃ」

その場でうずくまる葵ちゃん。

くすっ

本当おもしろいな…

俺はからかい半分に制服がはだけた状態のまま葵ちゃんに近づいた。

すすすっとうずくまったまま後ろに下がっていく葵ちゃん。

そっち壁だよ?

案の定、ドンッという音と共に葵ちゃんの「ぎゃっ」という声が小さく聞こえた。

まったくもう…。

耳まで真っ赤にしている葵ちゃん。

俺は開いた胸元のボタンをとめて、「ん。」と手を差し出した。

最初はポカンとしていた葵ちゃんもやがてはっとしたように俺の手をとる。

ぐいっと俺が引っ張ると近くなる葵ちゃんの顔。

本当に、あと少し近づけば、キス出来てしまいそうな距離。

絡み合う視線と視線。