「葵ちゃん、お昼学食行こー♪」


「葵ちゃん、五時限目の課題やってきた?俺まだなんだー。ノート見せて♪」


「葵ちゃん、ー…」


「葵ちゃんー…」


「葵ちゃー…」


「わーーーー!!」


もうっ何なのよぅっ!?


今は、三時限目が終わった後の放課。


私は教室の中心で、叫んだ。


理由は簡単。俊君がしつこいから。


あの謎の告白以来、俊君は何かと理由をつけては“葵ちゃん”“葵ちゃん”と言ってくるようになった。


嫌ってわけじゃないよ?


じゃあないけど…


「ちっ、あの子また俊様とベタベタベタベタと」


「貧乏人の庶民がでしゃばってんじゃないわよ」