「ねぇ、凪君の好きなケーキって何?」

俺?

俺はねー…?

“お前の嫌いなケーキだよ”

そう言えたらいいのに。

でも、俺は本音を隠す。

「ぼくはね~イチゴとクリームのやつが好き」

だってほら。

「かわいい~」

本音を隠せば、みんな喜ぶ。

本音を見せたらまたー…

「調子こいてんじゃねーよ!ばぁーか!」

なんだ?

みんな一斉に声のもとへ視線を向ける。

そこにいたのは昨日新しい“付き人”になった女。

葵は俺の本性を知ってる唯一の女。

でも言い返してくる変な女。だって他の奴らだったらー…

てかなにしてんだ?

葵はキレながらも背中を押さえてる。

あのケバ女に押されたか。

マジ女ってめんどくせぇー…