王子様たちのひまつぶしっ!?

そして。やがてゆっくりと口を開いた。


「そう…だな。俊の幸せ…か。」


俊父は目を細めて、呟いた。


「そうだな。…無理矢理な結婚でも、幸せにはならないな。でも、俊は三男だから跡は継げないし、せめて婚約すれば、お前は幸せになれると思っていたんだがな。」


「…父さん。」


俊君は悲しそうな表情を浮かべて、「今更かよ」って言った。


「…もうちょっと早く話し合ってれば良かったのかも知れないな」


ポツリとそう言って私たちに背を向け、歩き出してしまう俊父。


何で?


せっかく俊父が俊君のことを大事だって気づけたのに、止めちゃうの?


「間に合いますっっ」


私はその背中に向かって無我夢中で叫んだ。


「まだ、遅くないですっ!俊君が大事って気づいたんでしょっ!?なら今から俊君を目一杯大事にすればいいっ!今からスタートなんですっっ」