とりあえず。


着替えはしたけど。


私は首の後ろに腕を回してリボンを結んだ。


そして、試着室内にある等身大の鏡を見つめる。


そこには、ピンクの大きなリボンが腰についている、赤いドレスに身を包んだ私が映っている。


こんな服、きたことないから、不思議な気分。


私はその場でクルッと回ってみた。


お姫様みたいっっ!


「葵。遅い。開けるよ」


「えっダメっ…」


って言ったのに。


遠慮も躊躇もなく、海斗がしゃっとカーテンを開けた。


意見無視かよっ!?


なら聞くなよっ!?


“ダメ”言うたやんっ!


え?日本人だよね?


日本語通じてるよね??


大丈夫だよね??