「あんなに怒った亮磨初めて見た…」

私は驚きすぎて動く事が出来なかった。
亮磨があんなに怒りを上げるなんて思わなかった。
神埼将太って何者なんだろう。


そんな事を考えていたらいつの間にか放課後に近づいていた。

放課後になって私は約束どうりにテニスコートに行った。

テニスコートでは未咲が2年生と話していたが
こっちに気付いたらしく走ってきた。

「菜月ちゃん!こっちこっち!」

手招きをされた私はそっちに行った。
すると、未咲は手をくねくねさせながら

「あのさ…菜月ちゃんの事さ…菜月って呼んでも…いいかな?」

顔が赤い未咲。
私はそれがおかしくて笑いながら

「全然いいよ!じゃあよろしくみさ!」

みさはすごく笑顔だった。
心の底から笑っているのがわかるくらい…。

私はそれからずっと見学していた。
みさと飛鳥は別人のようだった。
見た事のない真剣な表情。

その時私がテニスコートを出て手を洗いに行った時。
テニスコートから…。

「菜月危ない!」

振り返ると目の前に飛んでくるのはすごいスピードのテニスボール。

私は怖くなって足が動かない。
金縛りにあったように体が動かない…。
声も出ない。

(誰か助けて…)

私は怖くて目をつぶった。

 バンっ!

私は変に感じた。

確かに目の前でボールが何かに当たった音は聴こえた。
風も来た。
でも、当たるはずの私には何の被害もなかった。

目を私おそるおそる開けた。

目の前には野球のグローブがあった。
それをはめていたのは『雅木』だった。