そう叫んだ前田はバスケの用意も何も持たずに大川と集合するはずだった学校前の階段に向かった。

「大川…。まだ居ててくれよ…」

そして階段に着いたが…。

「大…川…?」

そこに居た大川は階段から落ちていた。
まるで誰かに押されて倒れているようなポーズだった。

「大川!!」

そう叫んで前田は大川の所まで走った。
大川は息はあるが気を失っていた。

「大川!!大川しっかりしろ!!」

前田はひたすら叫んでいた。

「誰か救急車を!!救急車を呼んでください!!」

すると大川がうっすらと目を開けた。

「ま…。前田…」

「大川!!良かった…。無事だったんだな…」

「お前…。試合は…?」

そう聴かれた前田は少しうつむいてこう言った。

「ゴメン…。俺嘘ついてた…。本当は母さんは反対してたんだ…。けど…」

「知ってたよ…」

意外な大川の言葉に前田は驚いた。

「な、何で!?」

「だって最初にお金の事聴いただろう…?」

「あ~…。うん…」

「あれさぁ…。言い訳だろう…?」

「えっ…?」

「だって…。最初配られた紙にお金の事は書かれていたし…」

「大川…」

「お前はやっぱり…。不器用だ…な…」

そう言って大川はまた気を失った。

「大川!!!!!!」

その後はすぐ救急車が大川を連れて行った。

そしてバスケの試合の結果は25対15で負けた…。
6年の人達はこの試合で引退だった。

そう…。
前田と大川の人数が埋め合わせれず負けてしまった…。