次の日。
前田は自分の目を疑った。

昨日家で準備したバスケの用意がごみのように捨てられていた。
それに母親の手によって…。

「母さん!!何してるんだよ!?」

「小太郎…。あなたにはやっぱりバスケは不必要ね…」

「はっ!?何がだよ!?」

「あなたは自分の状況を分かってるの!?」

母親は少し困った顔で言った。

「あなたは前田家を受け継ぐ人物よ!?そんな人が何でバスケなんてしてるの!」

「母さん…」

そして母親はリストバンドを前田の前にやった。

「それは!?」

そして反対の手でハサミを持っていた。

「こんな物も必要ないわ」

そう言って目の前でリストバンドをハサミで切った。

「!?」

前田は頭の中が真っ白になった。
そして思い出すのは大川の言葉。

『これはバスケ部の一員の印だ!!』

そして前田はすべてを失った。

「じゃあ今から勉強しなさい」

母親が言った言葉に前田は…。

「…だ」

「何て?」

「‥ゃだ」

「えっ?」

「ぃゃだ…」

そして叫んでこう言った。

『嫌だ!!』