「未来…。あんたは好きな人のためなら何でも出来るのか…」

飛鳥は悲しい目をして海を眺めていた。

「中井は優し過ぎるからな」

そう言って飛鳥の後ろから現れたのは亮磨だった。

「大川!?」

「よっ!」

「あんた菜月と一緒に居たんじゃ…」

飛鳥がそう聴くと亮磨は寂しそうに笑ってこう言った。

「今高島の所に居る」

「何で!?」

「部屋で倒れてたんだ」

「さっきの物音?」

「うん」

「じゃあそれってあの子が…」

「あの子って!?」

「えっ!?いやぁ…」

「教えてくれ!!中井!!」

「菜月に言わない…?」

「わかった」

そう亮磨が言うと飛鳥はホッとしてニッコリして話した。

「さっき変な物音が聴こえたから急いでホテルに戻ったんだ。そしたらドアが開いたから反射的に隠れちゃったんだ。ドアをずっと見てたらホテルから人が出てきたんだ…」

「その人が…。高島を…?」

「たぶん…。すごく急いでたから…」

「誰だったんだ?」

「それは…」