和田菜月物語

(せなか亮磨…。どこに居るの…?)

私がホテルの中を走って探していたら

「菜月…?」

私は後ろから自分の事を呼ぶ声が
聴こえた。

「えっ?」

後ろを見るとそこに居たのは…。

「せな…?」

「どうしたんだよ?そんなに急いで…」

「探してたんだよ…」

「えっ?何て言った?」

「探してたんだよ!!せなを!」

私はせなの胸を叩いた。

「悪いな。入れ違いだったみたいだ」

「えっ?」

するとせなは顔を赤くしてこう言った。

「俺も…。探してた…」

「せな…」

「で、お前の要件は?」

「あっ!あの…」

「ん?」

「さっきはごめん!」

私は頭を下げた。
せなのその時に表情は分からないが
きっと驚いてるだろう。

なんとなくそう思った。

「俺もそう言おうと思ってた…」

「えっ!?そうなの!?」

「うん…」

「そっか…。じゃあ怒ってないんだ」

「俺はいつでも怒ってるよ」

「えっ!?何で?」

「決まってるだろ?」

「ん?」

すると
せなは耳打ちをしてくれた。

私はそれを聞くと顔が赤くなった。

そして
せなと別れて亮磨を探しに行った。

探してる時も頭から離れなかった。
あの言葉が。

『お前が気持ち教えてくれないから』