和田菜月物語

「仲直りって言ってもなぁ…」

私が1人悩んでいる時

「誰と仲直りするの?」
と、雅木が笑って来た。

「ま、雅木!?」

私は雅木の顔を見るとさっきの事を
思い出してしまった。

「菜月ってウソ寝下手?」

私はビクッリし過ぎて
飛び跳ねてしまった。

「図星か」

「だ、だってさぁ!」

「ごめんな」

「えっ?」

雅木の表情は真剣だった。

「俺、菜月が起きてるって分かってた」

「えっ!?」

「だから、言った事聞いてのも知ってた」

「そ、そんなぁ…。意地悪だなぁ…」

「まぁまぁ…」

「でも…」

「でも?」

私は無意識に自分でこう言った。

「嫌じゃなかったから」

そして笑った。

「じゃあ、私は行きますね」

私は残り3分の間にせなと亮磨に
会わなきゃいけない。

そして仲直りするんだ。

私が走って行った時
雅木の顔は真っ赤になって
その場に座り込んでこう言った。

「期待しちゃうだろうが…」