和田菜月物語

それから
私は1人でそこら辺歩いていた。

またあの歌を歌いながら…。

「こんなに君の事好きなのに…。
 君はどうしてあの子しか見てないの?
 私は誰よりも君が好き…。
 それしかあの子に勝てないんだね…。
 でも追い続けるよ。
 あなたが振り向いてくれる事を願って」

「またその歌?」

そう言って話しかけてきたのは

「亮磨!どうしたの?」

「ちょっとな…」

「そっか…」

「菜月は?」

「えっ?いや…。その…」

「…高島か?」

「えっ!?何で!?」

「さっき出会ったから」

「そっか…」

「ちょっと来てくれ」

「えっ?う、うん」

そう言って私は亮磨の後ろを
ついて行った。