私と別れた後由紀は

「やっと会えたね菜月…」

そして携帯を見た。

「次はいつ会えるかな?」

携帯の待ち受け画面は
由紀と2人の男の子だった。

「計画は進んでるね…」

そして空を見てこう言った。

「ねぇ小太郎…」

そう言って、
くくっていた髪をほどいた。
そして前を見て歩きだした。

私は
由紀が誰なのかは分からなかった。

でも
きっと出会った事があるとは
思っていた。

懐かしい匂い。
菜月と呼ばれるたびの感情。

きっと分かってても
分かりたくなかったんだ。

心のどこかで
それを否定したんだ。

由紀が
翔子に似てるって事を。

認めたら
何かが終わりそうだったから…。