その言葉を合図にしたように、みんながいっせいに女を取り囲んだ。


「あ、兄貴……っ」


「なんだ、大志」


「あ、相手は女だから……その……」


「なんだお前、こいつの心配する暇がありゃぁ、自分の手当てでもしてろ」


そう言うと、兄貴は仲間と女を引き連れて、家を出てしまった。


だから、俺はその後どんなことがあったのか、わからない。