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それは、俺が中学1年のときだった。


兄貴の友人関係のおかげで、『不良』と呼ばれる人たちがその頃もまだ多く家に入り浸っていた。


最初は恐怖心を抱いていた俺だったけれど、兄貴の周りにいる不良たちはみな優しく、ちゃんと仕事をしたり学校にいったりしていて、無駄な争いをしない奴らだった。


そのため、俺は徐々にみんなと打ち解けていき、気がつけばその和の中に入っていた。


浜中勇士の弟ということで、俺はかなり可愛がられていたと思う。


けれど、そんなある日のこと。


いつも通りみんなが家に遊びに来て、俺が玄関へ迎えに行った。


その時、見たことのない女が1人混じっていたんだ。