そんな兄貴はもう28歳。


家も出て、結婚し、幸せな家庭を築いている。


俺も、いつか兄貴のように千沙と一緒に生きていきたいと、願っている。


俺は特攻服をバサッとはおり、懐かしさに目を閉じた。


右頬に残る傷に触れると、今でもピリピリと痛みが走る感覚がする。


だけど、これのおかげで俺は強くなれた。


ここまで来れた。


そうだよな、兄貴……。