まだ少し幼さの残る笑顔でそう答える男子生徒。


恋羽がそんな様子を遠目に見て、面白がってニヤニヤしている。


「どうして、あたしと君が一緒に帰るのかな?」


「今日、浜中さんに頼まれたんです! 千沙さんと一緒に帰ってくれって」


そう言って、誇らしげに胸を張る。


あぁ、そう言うことか……。


あたしはふぅとため息を吐き出して、かばんを手に持った。


「別に、大志に頼まれたからって来なくていいのよ?」


「そんなワケにはいきません! 俺は今日、千沙さんを無事に送り届ける義務があるんです!」