そう言いながら微笑む千沙に、胸がチクリと痛む。


この笑顔、なくしたくねぇな……。


「昨日、帰りに変な男を見たか?」


「え……、どうして知っているの?」


俺の質問に、千沙は驚いたように目を丸くした。


やっぱり、千沙も赤旗のメンバーに気が付いていたか。


「気をつけろよ」


「待って大志。今朝、登校するときにも同じような男を見たの。


そしたら、今津のメンバーの1人がここまで送ってくれて……」