~大志side~

俺が3階の空き教室へはいった時、一番に千沙の姿が目に入った。


教室のすみに座り、マージャンをしているメンバーをぼんやりと見つめている。


俺は、挨拶をしてくるメンバーに軽く手を挙げながら、千沙のもとへと歩いて行った。


「なにをしてるんだ?」


「おはよう大志。ミサンガができたから持ってきたの」


そう言って、紙袋を俺に差し出す千沙。


中を確認すると、丁寧に編みこまれたミサンガが3つ入っていた。


「悪いな」


「ううん。チームの役に立ててうれしかったし」