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太陽が頭上へさしかかった頃、数十台のバイクが俺の家の前に止まった。


「今日は俺もバイクを出させてくれよ」


仕事中でいない母親へ向かってポツリと呟き、玄関に置いてあるカギを手に取った。


この感触、久しぶりだな。


カギの冷たくてかたい手触りだけで、ゾクゾクと走りたい衝動に駆られる。


そうだ、今回のことがうまく行けばみんなで走行会を開こう。


走るのに適している道を探そう。


そんな事を考えながら、俺は玄関を開けた。