「待ってないで踏み込んで行ったらいいだろ?」


強がそう言って、俺をせかす。


しかし、俺は首を横に振った。


「今日は普通に話をしに来ただけだ。喧嘩をするつもりはない」


そう言うと、強は軽く肩をすくめて黙った。


「入って大丈夫だそうです」


すぐにカナタが戻ってきて、俺はホッとした。


どうやら、すんなり話ができそうだ。


3人で靴を脱ぐと、狭い玄関はいっぱいになった。