低く、男らしい声だ。


「俺、カナタです」


「……あぁ、入れ」


どうやら、玄関のカギは空いているらしい。


カナタがノブに手をかけると、簡単にドアは開いた。


玄関には2足の男ものの靴。


1部屋だけらしく、玄関の向こうのに続く部屋には薄いカーテンがかけられている。


カナタが最初に部屋に入り、カーテンの向こうへと消えた。


ボソボソと話声が聞こえてくる。