~大志side~

アパートの階段はコンクリートで、あちこちにチラシが散らばっている。


廊下の電気も切れかけていて、どこも薄暗い感じがした。


「ここです」


そして、2階の一番端のドアの前で、カナタは立ち止まった。


白いドアには【赤旗】と表札がでている。


俺は力耶と強を見る。


2人とも、無言でうなづいてきた。


「頼む」


そう言うとカナタはインターホンを押す。


すぐに「誰だ?」と中から返事があった。