~大志side~

千沙たちが学校へついた時間帯。


俺は担当医からようやく退院の許可が下りたところだった。


「もうずいぶん傷も塞がったし、痛みもないようだし、大丈夫だろう」


その言葉に、俺は飛び上がりそうになるほど喜んだ。


「本当か!?」


「あぁ。ただし、無理はするんじゃないぞ?」


白いあごひげを生やした担当医は、チラっと俺の方を見てそう言った。


一応、事故でナイフが刺さったのだと説明しておいたのだが、それは信用されていないらしい。