強も、最初は女たらしで嫌なやつだと思っていたけれど、色々と苦労を乗り越えてきているのだと、桃花ちゃんから聞いた。


強への誤解も少しとけはじめたし、ここへきて、本当によかったと思う。


朝ご飯を食べ終えるとあたしと恋羽の2人で片づけをして、それから強のお母さんの大きな車で、みんな学校やバイト先へ送ってもらうのだ。


1人での行動は、まだできない。


車が校門の前で止まり、あたしと恋羽は車を降りた。


「「行ってきます」」


「終わったら迎えに来るから、いい子にして待っているのよ?」


強のお母さんがそう言って手を振った。