額に汗がにじんで、少し息が上がっている。


でも、食欲は十分にあった。


タオルで軽く汗をふき、すぐに1階へと下りて行った。


キッチンドアを開けると、おいしそうなスープの香りが鼻をくすぐった。


4人の女と母親が、おそろいのエプロンをつけて夕食の準備をしている。


俺には似つかわしくないその光景に、おもわず1歩後ずさりをしてしまった。


「強、こっちこっち」


桃花に手招きされて、俺はようやくダイニングテーブルの椅子に腰をかけた。