「ありがとう勇士さん……。力耶も、本当にありがとう」


お礼をしても、しきれない。


「ま、起こったことは仕方ない。大志は病院だろ? あとで俺が見舞にでも行ってやるから、千沙は大人しく家にいろ」


勇士さんそう言われ、あたしは素直にうなづいた。


そして回れ右をして家に戻ろうとしたとき……。


見知らぬ美少女が少し離れた場所に立っていた。


長い黒髪をポニーテールにしてピンクのリボンで止めている。


白いワンピースを身にまとう、線の細い子だ。


誰……?