「大志ならきっと大丈夫だ。心配するな」


そう言って、勇士さんの大きな手があたしの頭を撫でた。


「この人が、大志の後を追いかけろって言ってくれたんだ」


力耶が、勇士さんを見てそう言った。


「あぁ。大志が真剣な顔して1人で出ていくから、きっと千沙に危険が及んでいるんだろうなって思ってな。

本当は俺がこっそり後をつけようと思っていたんだけれど、ちょうどいいタイミングでこいつと、もう1人の強って男が家に来たから大志の追跡を頼んだんだ」


そうだったんだ……。


あたしは、改めて勇士さんと力耶と強に感謝した。


ショックで動けなくなっていたあたし1人じゃ、救急車を呼ぶことだって困難だった。