~千沙side~


力耶に家まで送ってもらうと、バイクの音を聞きつけた勇士さんが隣の玄関から顔を出した。


「勇士さん……」


「おぉ、千沙。大丈夫だったのか」


何も話していないのに、ホッとした表情を浮かべる勇士さん。


元々チームの頭だったから、だいたいの予想はつくのだろう。


あたしはキュッと下唇を噛んだ。


「大丈夫じゃないよ……」


「え?」


「全然大丈夫じゃないよ! 大志が……大志が、あたしのせいで……!!」


また、涙があふれ出す。