口の中に苦い味が広がって、あたしは思わず眉間にしわをよせた。


「ほら、新しいの焼いてあげたから、こっちを食べなさい」


見かねたお母さんが、綺麗に焼けた目玉焼きと交換してくれる。


「……ありがとう」


あたしはその目玉焼きを見下ろし、昨日、大志に触れられた頭に手をあてた。


なんでだろう。


昨日から、ここがジンジンしているように熱いんだ。


まさか、大志の手でやけどをしたなんてこと、ないよね?