俺は会場の前で足を止めて、千沙を見た。


「今日は特別だ。そのかわり、大人しくしておけよ?」


「うそ!? 大志からOK出たよ、恋羽!」


俺の言葉に頬を赤らめ、その場で飛び跳ねて喜ぶ千沙。


そのしぐさが子供のようで可愛くて、俺はいつのも癖で千沙の頭をポンポンと撫でた。


「ありがと大志!」


そう言って、勢いで俺に抱き着いてくる千沙。


「おい、千沙!」


驚いて引きはがそうとしても、背中に回された手はギュっと俺の体を抱きしめている。