【短】Snow Ring

「唯二?ボーーッとして、どうした?」


1人回想の続きをしていると、いつの間にか意識が飛んでいたのか久保先輩が私の顔を覗き込んで来ていた。


わわわ……!私ったら!


「す、すみません!何でもありません!!」


慌てて謝ると、首を傾げながらも納得した様子の先輩。


一旦1年生と2年生の下駄箱に別れる為に、繋いでいた手を離す。


クツを履き替えたらまたすぐ繋げるのに、大きな手の温もりが離れた右手が、妙にさみしかった。


だって同級生ならまだしも、1歳差だから……近づける時間があるなら、ちょっとでも近くにいたいもの。