【短】Snow Ring

9月になったと言うのに夏の暑さが色濃く残っていた日。


『あのさ……小鳥遊………良かったらオレと、つき合って欲しい』


僅かに頬を赤く染め、テレながらも私を真っ直ぐに見つめて告白してくれた久保先輩の姿は、今もよく覚えている。


久保先輩によると、最初は私の事はただの後輩としか見てなかったけど………


女子陸上部で練習に励む私を見ている内に、頑張り屋な子にランクアップし、段々と好意を寄せてくれる様になったらしい。


『…………』


一方の私は―――…5ヶ月間ずっと好きだった人に告白されて、時が止まっていた。