【短】Snow Ring

渡されたはいいが何なのか分からなかった私は、箱を両手で持ちながら質問してみた。


ポワポワハテナを飛ばす私に、久保先輩はまたまた穏やかな笑みを向けてくれる。


さっきのイジワルな笑顔と違い、暖かな日だまりの様な笑顔だった。


「開けてみ?ソレ」


「え……開けていいんですか?」


「もちろん。どうぞ」


先輩に促され、ゆっくりと箱を開ける。


「えっ………」


徐々に中身が姿を現し、全てが見えた瞬間………私は驚きで、息を呑んだ。


なぜなら久保先輩がくれた箱の中に入っていたのは―――――指輪だったからだ。