【短】Snow Ring

残念だけど、先輩の体を冷やすワケにもいかないし、今日はもう話切り上げよう。


「それじゃあ先輩、また明日」


先輩に笑顔を向けて、家の門に手をかけた。


「待って、唯二」


「えっ?」


呼び止められ、門を動かそうとしていた手を止める。


久保先輩はガサゴソと自分のカバンを漁り、何かを取り出した。


「ハイ、コレあげる」


「へっ?私に……?」


な、何だろう………


とりあえず久保先輩から何かを受け取ってみると、それは――――…小さなピンク色の正方形の形をした箱だった。


「先輩?コレ何ですか?」