【短】Snow Ring

誰かに見られてウワサになるのを恐れ、真っ赤になったり真っ青になったりを繰り返す私は、その間も先輩に抱き寄せられたまま校門を出る。


「久、久保先輩、人の話聞いてますか!?」


学校の敷地外に出てしまってパニックがMAXになってやや強めに訴えると、久保先輩はようやく私を見てくれた。


「んーー…お前の願いは叶えてやりたいけど、却下。唯二に寒い思いはさせられない」


「えええっ!?」


「ホラホラ、雪強くなってきたし、早く帰るぞ」


そ、そんなぁ……!


私は先輩と手を繋ぐだけで、充分暖かい気持ちになるのに………!!