その翌日、俺は仕事を終えて、朱美ちゃんに連絡を取ろうとしていた。
早く終わらせたかったのに、やっぱり休日はどうしても遅くなる。

もちろん、店長としてはそれは嬉しい叫びなのだけど。


従業員用の更衣室から、朱美ちゃんの携帯へと電話をかける。
すぐに朱美ちゃんが出た。


「もっしー」

「遅くなってごめんっ」

「あは、いーよ!お疲れ様!」

「うん、ありがと。迎え行く?」

「あ、あーーー…うん。でも、家覚えてる?」

「覚えてる」

「じゃあ、よろしく」

「わかった」


朱美ちゃんと通話を終えると、俺は更衣室を出て自分のバイクへと向かった。
メットを被って、朱美ちゃんへの家へと発進させる。

記憶を辿りながら、朱美ちゃんの家の近くまで来ると、誰かが家の前に立ってるのが見えた。
朱美ちゃんだ。

家にいるかと思ってたら、外にわざわざ出てくれてたらしい。


「あ、哲さーん」

俺を見つけて、朱美ちゃんは笑顔で手を上げる。
目の前まで行き、メットを取った俺も笑顔になった。