「哲さんって仕事すっごい出来るイメージです」

「そんな事ないよ」

「そうですかね?
でも、哲さんは優しいです」

「…ははっ、それもないよ」

「いや、あるんですっ」

「そう?じゃあ、そう言う事にしておこうか」


俺が茶化すように言うと、侑美ちゃんは少し不満そうだ。
それにくくっと喉を鳴らす。


「俺がよく行く居酒屋とかでいい?」

「はい、大丈夫ですっ」


いつも行くとこでいいだろう。
シャレた店とかあんま行かないし。

先に立ち先導するように俺は歩く。
その後ろを着いてくる侑美ちゃん。


ガヤガヤとうるさい居酒屋に俺達は到着すると、店員に案内されて席につく。
ドリンクを頼んで、俺は侑美ちゃんを真っ直ぐ見た。


「侑美ちゃん」

「はい?」


おしぼりで手を拭いた侑美ちゃんは、俺の呼びかけに首を傾げた。