「だって、見た目が一途オーラ出してるっす」

「ちゃんと分かるように説明して」

「えーーー…うーん、難しいです。
なんか、店長ってぶれないイメージあるんですよね。
なびかないと言うか…」

「あー……。成程」


それはそうかも。
キムに言われて、俺は腕を組んで思わず考え込む。


情けない事に。
俺は麻美だけしか見えていないから…。


そうなのかも。


「俺の中で店長はそんなイメージっす」

「……何それ」

「まあ、とにかくカッコいいって事ですわ」

「調子いい奴」

「へへっ」


キムの頭を一度コツンと小突くと、俺も笑った。

それから、仕事を全て終えた俺とキムは私服に着替えてから従業員入口から外へ出る。




「やっぱり夜は肌寒いっすねえ」

「なあ、本当に」


そんな話をしながら、二人で駐輪場へと向かう。
その通りに。



「あ」



―――――侑美って子がいた。