「まーヤル前でよかったかもね。後だったら、きっと哲さん他の女抱けないよ」

「てか、麻美は処女だったの?」

「知らなかったのかよ!?」

「いや、聞いていたような…だけど、確信めいた事は…」

「麻美本人から聞いたから間違いないよ」

「………」


朱美ちゃんの言葉に、口許が緩む俺がいる。
綺麗なままで逝ってしまった事が嬉しいだなんて、どうかしてるよ、俺。


「哲さん、きもっ」

「いや、ちがっ…」

「哲さん、まじできもっ」

「二回目は地味に傷付くし」

「傷付いてしまえ」

「何でだよー」

「はははは」

最初から最後まで朱美ちゃんは笑顔を絶やさなかった。
その後、バイクに乗せると俺は朱美ちゃんを家まで送って帰宅した。