「麻美に憧れて入った子ってのは、菜々美達よりもずっと後だよ。
別に最初から花蓮は有名だったわけじゃない。
有名になったのは、花蓮と光がぶつかり合ったときぐらいからかな」


俺と、拓は朱美ちゃんの話をただ、黙って聞く。


「それまで光がここらで勢力伸ばしてたからね。
てか、裏で色々繋がってるから当たり前なんだけど」

「…はあ、そうなんだ」

暴走族の世界ってのは、俺にとって近いようで遠い存在だ。

信司が総長もしてたり、集会場所に行ったりしてたけども。
知ってても、レディースの話までは知らなかった。


まあ、興味なかったってのもあるし。
それより、洋服の話してる方が楽しかったかな。


「まあ、でも俺のクラスでは麻美って結構話題になってたけどな」

「そうなの?」

拓、今更だけど俺。
中学、高校一緒のお前がまじで羨ましいよ。