それからほどなくして、青い顔をした拓が駅前にやってきた。

顔面蒼白で、バイクに跨っている。


「……大丈夫か?」


「…なら寝かせてくれ」


「それはダメ」


「お前、まじで矛盾してる」


「うん、ごめんな、拓」


「…まあ、いいけど。
どこ行きたいの?」


「……信司も呼びたくね?」


「…無理だろ」


「何で?」


「あいつ、今女といるだろうし」


「はあ?」


別れたって言ってなかったっけ?


「なんか、昨日の二次会で気が合った子持ち帰りしたらしい」


開いた口が塞がらなかった。


「まじか…信司、どうしたんだろうな」


信司はそんな軽い奴じゃなかったし、誰でも手を出すような奴ではなかったから。


「うーん、佐緒里のことやっぱり忘れらんねえんじゃね」


「そうなの?」


「…どっか、入らねえ?」


「ああ、どこがいい?」


どこか入るよりは公園に行った方がよくね?と聞くと、拓も頷く。
俺と拓はコンビニでお茶と拓の軽食買って公園に向かった。


俺の後ろ乗る?って聞いたけど、拓はいいと首を振った。
後ろに乗った方が気持ち悪くなりそうだと。