「もう今年も終わるね。
そのうち卒業しちゃうよ」
梨花の言葉に現実を知る。
もうすぐあたしたちは卒業。
それぞれの道を自分の足で歩く。
就職するひと、進学するひといろいろ。
夢のないあたしにはカンケーないけど。
「梨花は進学だよね?」
「うん。短大。保育士になりたい」
「梨花子どもすきだもんね」
「すきだよー!いつかは蓮との赤ちゃんしいな」
梨花はあたしにはないなにかを持ってる。
「なにか」ではなくて、「夢」。「ひとを愛する気持ち」。
「いいなーママか。あたしもいつかほんとにすきなひととの子どもほしいなー」
「まずはひとを愛すことだよ。愛されたいなら愛するべき!これ絶対(笑)」
