「あ、青葉っ!」
「どうした?文を送ってくるなんて、珍しいな。」
「うん…」

私は、初めて青葉に出会った場所に来ている。

「話って?」

「実は…」

私は、月へ次の15日に帰らなければいけないこと…全てを話した。

「は?ちょっと待って。月姫は、月から来た?帰らなければいけない?意味わかんない。」

だよね…急に言われてもね…

「ごめん…」

「帰らなければいけない?絶対?」

「うん。」

「なら、どこかに逃げよう。見つからない場合に。」

「ごめんね。もう、変えられない運命なんだって…。それに、もう見つかってるの。」

「そんな。俺が守るから!」

「ごめん…ごめんね。」

「あ!月姫!待って!」

思わず、走って逃げてしまった…

「ごめんね…青葉。私だって…!本当はずっと…ずっと青葉と、一緒にいたいのに…」

はあ…涙が止まらないよ…

明日、青葉に会いに行こう。
今行っても、冷静に話せない。

やりたいこと。

まずは、青葉に私の気持ちをしっかり伝える。
おじい様、おばあ様、じいやに事情を話して…
みんなに、私を忘れないように贈り物を用意しよう…



「陽姫。おじい様たちに言おう。」
「そうだね…」


「おじい様…おばあ様…じいや。」
「どうした?」
「お話が…ございます。」
「なんだ?」
「実は…」
「私たち帰らなければならないのです。月と、太陽に…」
「何を言っておる?」
「そうですよ。2人とも。」
「「本当なのです!」」
「そんな事あるわけないだろう。」
「いいえ。あるのです。私たちは、竹から生まれたのですよね?そんな事があるのですから、月と太陽に帰らなければいけないという事があってもおかしくないはずです。」

「ここにいることは出来ないのか?」
「信じるのですか!」
「仕方ないだろう!こんなに真剣に話しているのだぞ。」
「…私も、本当の話だという事は分かります。でも、信じたくないわ。」
「はい。私たちも、偽りであって欲しいと思います。ですが、ここにいることは出来ません。もう決まってしまったのです。必死に頼みましたが無理でした。」
「そんな…」

「今日は、休みなさい。いろいろと気持ちの整理が必要でしょう。私たちも少し考えたいわ。」
「おばあ様…分かりました。失礼しました。」