「ふあぁぁ…」
寝ちゃった…
陽姫も寝てる。
外が明るい…
ということは、もう朝⁉︎

ぐるるる…

お腹すいたよ…

「ふあぁぁ。」
「陽姫。おはよう。」
「…おはよー。…あれ⁉︎ここ、どこ⁉︎」
「昨日、誘拐されたじゃん。」
「そっか。誰も来てくれて無いんだね」
「うん…」


起きてから、もう3時間くらいたったんじゃないかな?
「お腹すいたね…」
「うん…誰も私たちに気づいてくれてないのかな…」
「このまま…誰も来てくれなかったら、私たちどうなるんだろ?」
「信じよう。信じるしかないよ…」
信じる。青葉…気づいて。


さらに時間だけが過ぎていった。

ガンガン!ガンガン!
「え⁉︎何、なに⁉︎」
「静かに!誘拐した人かもよ!」



「月姫!月姫!」
え?
この声…
まさか。だって、帝だよ?
「月姫!いないのか⁉︎」
やっぱり青葉!
「いるよ!青葉⁉︎」
「今開けるからな!」
「う、うん!」

バンッ

「月姫!」
「青葉!」
嬉しくて、ギュッと青葉に抱きついた。
「大丈夫か?」
「う、うん…何でここに?」
「月姫がいなくなった。って聞いて、飛び出してきた。」
「飛び出してきた。って…」
「で、人に聞いたりしたら変な奴らがお前の話をしてて、ここを突き止めた。」
嬉しいな…
そんなに必死でさがしてくれたんだ。
「青葉…大丈夫なの?一応帝でしょ?」
「多分…ヤバい。」
「え!今頃、騒ぎになってるよ!」

「あの〜。私のこと、忘れてません?」
「陽姫、ごめん…」
「お前ら、やっぱり似てるな。」
「双子だもん。でも、顔は結構違うし、わりと真逆だよ。」
「まあ、確かに双子にしてはそんなに似てない気もする。」
ちょっとホッとしてる。
だって、似てるなら陽姫のこと好きになるかもしれないでしょ?
陽姫の方が可愛いし…
「ねえ、月姫?」
「あ。また、ごめん…」
「いいの。それより、はやく帰った方が良くない?」
「そうだった!青葉もはやく帰った方がいいんじゃない?」
「そうだな。じゃ、送るよ。」
「ううん。大丈夫。それより、きっと騒ぎになってるから、はやく帰って。」
「そうするよ。ごめんな。」
「ううん。ありがとう、青葉。来てくれて!本当に嬉しかった!…大好き!」
「フ…知ってる。」

「陽姫、私たちも帰ろうか。…何、その顔?」
「ウフフ…大好き!だって。キャー!」
「う、うるさい!」