あー、もう。
青葉といると疲れる…
からかうんだもん。


「月姫ー!」
「陽姫、どうしたの?」
「ねえ、少し外に出ない?」
「じいやに怒られるよ?」
「まあ、良いじゃん。その時はその時だよ!」
「…そうだね。で、どこに行くの?」
「いいから。ついてきてー」
「陽姫っ!待ってー」


「陽姫ー。どこに行くの?」
さっきから、もう30分歩いてると思う。
「もうすぐ着くよ。」


「ほら、着いた。」
「…わあ…すごく、綺麗…」
「でしょ?」
月と太陽が美しく顔を見せる夕暮れ…


「そろそろ、帰ろうか?」
「…うん。」
「「また、来よう!」」
その時、フッと前が真っ暗になった。


「ん…」
え…?どこなの、ここ?
陽姫は⁉︎
「陽姫!」
「う…ん…月姫?」
「大丈夫…?」
「ここは?」
「分からないの。」
「もう、外は真っ暗…夜になっちゃったんだ…」

私たちは、気がつくと狭い小屋にいた。
なんで、こんなところに?
「怒られちゃう。早く帰ろう!」

「…え?」
「どうしたの、陽姫?」
「え⁉︎嘘‼︎あ、あかない!」
「ええ⁉︎…まって。落ち着こう。まず、なんで私たちはここにいるの?」
「そうだね…。…なんでだろう?」
「えっと、確か、急に目の前が暗くなったんだよね…」
「そうそう!」
「そういえば…首あたりが痛い…」
「私も。」
「ということは、やっぱり…」
「「誘拐⁉︎」」
うそ…
誰か助けに来て…