「かぐや姫様でございますね?帝様がお待ちです。」
「ええ…」


「帝様…かぐやでございます。」
「月姫か…よく来た。」
へ?な、なぜ本当の名を…?
それにこの声どこかで…

「あの…どこかで…」
「ふっ…昨日、会ったばかりだが。」
「あ、青葉っ⁉︎どうして?帝様⁉︎」
「慌てすぎ。」
「なぜ言ってくれなかったの…ですか」
「今さら改まらんでよい。…あんたが聞かなかったのが悪い。」
「そんな…言ってくれたら…あんな…それより、私をお呼びした理由は?」
「ああ。もう、あの場所に来そうにないと思ってな。」
そりゃ…あんな顔見られたら…

「よく、帝とあろう者が出て来れましたね。」
「あんたも行っていただろう。隠し通路を通ったのだ。」
「それで…帝様、お噂は嘘でございましたね。」
「噂?」
「はい。女達が道で申しておりました。
青葉様と。女好きでしたのね。」
「はあ…それは、俺が帝だと気づかず近寄って来た女に失礼なく、少し優しく接したどけだ。」
「そうですか…」
「それよりだ。昨日の質問の答えがまだだが?」
「それを聞くために、わざわざ…」
「そうだ。どうして、そんなに冷たいのか。」


「それは…青葉が、みんなに優しいから…だから、私にも優しい。と知っているから…」
ヤバい…また涙が…
「みんなに優しくなんてして欲しくない…私だけに…と思ってしまう。
私、なんて卑怯…」
ああ、もう涙が止まらない…
これが、恋…でしょうか…
「へ?青葉…?」
え…?青葉が私を抱きしめている…やめて。
また、私…
「すまない…誠に好きな女を泣かせるとは、最低な男だな…」
「好きな女…?」
「もう、泣かせたりしない。約束する…だから、俺の女になれ。月姫…」
「…でも!陽姫と楽しそうに話して…」
「それはあんたに会いに行っただけだ」
「…」
「俺の女になれ。」
「はい…」
「改まるのは、なしだ。」
「でも…」
「なしだ。これは、命令だぞ。帝の。」
「ずるい…」
「ずるいもなにも、帝だからな。」
「…分かった。」