「まあ、青葉様ったら。ふふふ。」

あれ…陽姫…と、青葉…⁉︎
え?どういうこと⁉︎
そっかー…やっぱり、軽々しい人…

青葉と出会って、1週間。
久しぶりに、あの場所行こうかな…
今なら、いないし。
まだ昼間で、月は見えないだろうけど。
少しの間だったら、誰も気がつかないよね。



「昼間も、景色が綺麗だわ…」
「だよな…」
な⁉︎青葉⁉︎
「な…んで…」
「あんたに会いに行ったのに、いなかったから、ここかな。って。」
上手いこと言って…
陽姫と、楽しそうに笑ってたくせに…
…それより!
「なんで私の屋敷の場所、知ってるわけ⁉︎」
「秘密。」
はああ⁉︎
本当、何なの⁉︎
「私、もう帰ります。」
「ちょっと…それじゃ、あんたに会いに行った意味、ないじゃん。」
「なんですか…。」
「かぐや姫…」
「な…」
正体、バレバレだわ…
いけない事なのに…
「これ…」
「わあ…綺麗な髪飾り…」
それは、月の飾りがついた綺麗な髪飾りだった…
「あんた、月が好きなのかなって…」
はあ…こんな物もらってしまったら、違うと分かっていても、勘違いしてしまうわ。
「ありがとうございます。それでは。」
冷たくしないと、好きになってしまいそうで少し怖い。
「ちょっと!」
「なんですか。」
「あんたさー、なんでそんなに冷たいわけ?俺、何かした?」
ヤバい…振り向けない。
絶対、泣きそうな顔してる。
「別に…理由なんて。」
「こっち、向いて。」
「っ!…」
見られた…
私は、思いっきり走った。
「なんであんな顔すんだよ…」


はあ…はあ…

「月姫ー、青葉様に会ったー?」
「会った…ちょっと、休むね…」
「月姫…?」


あー‼︎もう‼︎
あんな顔、よりにもよってあの人に…
はあ…
「月姫様。」
「おじい様…?」
「少し、いいかね?」
「はい…」
おじい様が直接いらっしゃるとは…
よっぽど大切なお話なのでしょう。



「実は、帝様が月姫に会いたいと申しているんだが…」
「帝様が⁉︎なぜ…」
「きっと、お前が美しいという噂が帝に伝わったんだろう…明日なのだが…」
「明日…分かりました。」
お断りする訳にはいかないものね。


私とおじい様は血は繋がっていません。
私と陽姫は、竹から生まれたそうなのです。
竹取をしていた時の事だそうです。
名前は、私と陽姫の首元に月の紋章、太陽の紋章が描かれていたからだとか。
もちろん、私の首元には今も月の紋章がある。
髪が長くて見えないけれど。



竹から生まれたからといっても私も陽姫も普通の人と何も変わらない。


けれど、私は月を見ると懐かしく感じます。
陽姫は太陽の光を浴びると落ち着き、懐かしく感じるそうです。


そういう事で、おじい様とおばあ様は歳70になりましょうか…ですのに、
私達を育ててくださいました。


それより!
なぜ、帝が…?
帝は私と同い年らしい…
ということは、17…


それに、女好きではない。という噂。
理解できない…
もし、噂が嘘で女好きだったとしたら、
私よりも、陽姫にお会いになるはず。


そうか。
きっと勘違いなさっているのね…